賃貸の契約前に確認すること22項目|重要事項説明を宅建業法35条から全リスト化

「契約前に何を確認すればいいのか分からないまま、ハンコを押してしまった」

結論から書きます。
賃貸の契約前に確認すべき項目は、あなたが考えるものではありません。法律で決まっています。

宅地建物取引業法第35条と、その委任を受けた同法施行規則第16条の4の3により、建物の賃貸借では22項目の説明が義務づけられています。これが「重要事項説明」です。契約前チェックリストの正体は、この22項目です。

この記事では、その22項目を条文から一つずつ取り出し、どこを聞き返せばいいかまで具体的に解説します。

この記事でわかること

  • 賃貸の重要事項説明で必ず説明される22項目の全リスト
  • 説明を受けるタイミングと、宅地建物取引士が守るべき手続き
  • 22項目のうち、お金でもめやすい5項目とその聞き方
  • 重要事項説明書と賃貸借契約書の役割の違い
  • 説明義務の対象外なのに、確認しないと損をする項目

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目次

契約前の確認は「重要事項説明」として法律で守られている

まず前提を押さえます。賃貸の契約前には、必ず「重要事項説明」という手続きが入ります。
これは慣習ではなく、法律上の義務です。

(重要事項の説明等)
第三十五条 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(中略)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(中略)を交付して説明をさせなければならない。

宅地建物取引業法 第35条第1項(e-Gov法令検索)

条文から読み取れる要点は4つです。

  • タイミングは「契約が成立するまでの間」。契約書に署名した後の説明では法律違反です
  • 説明するのは宅地建物取引士。営業担当者が代わりに読み上げることはできません
  • 口頭だけでは足りず、書面の交付が必要です
  • 説明事項は法律が列挙している。会社ごとに違うものではありません

さらに、宅地建物取引士側にも手続きの義務があります。

4 宅地建物取引士は、前三項の説明をするときは、説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。

5 第一項から第三項までの書面の交付に当たつては、宅地建物取引士は、当該書面に記名しなければならない。

宅地建物取引業法 第35条第4項・第5項(e-Gov法令検索)

説明の冒頭で宅地建物取引士証の提示がなかったら、その場で求めてかまいません。提示は法律上の義務であり、遠慮する場面ではありません。

重要事項説明は「申し込みの後、契約の前」に入る

実務では、内見して申し込み、入居審査に通ってから重要事項説明という順番になります。
つまり重説を聞く時点では、もう審査に通っています。ここで初めて知った条件が理由で断ることは可能ですが、心理的にはかなり断りにくくなります。

内見 申し込み 入居審査 重要事項説明 宅建業法35条 22項目 賃貸借 契約 鍵の 引渡し 法律上、説明はここより後ろにできない (「契約が成立するまでの間に」/35条1項) この段階では条件の詳細が出ていないことが多い

だからこそ、重説を聞く前に何が説明されるかを知っておくことに意味があります。当日の理解速度がまったく変わります。

あわせて読みたい:賃貸の内見チェックリスト|当日の持ち物・見るべき33項目を徹底解説


賃貸の重要事項説明で説明される22項目【全リスト】

説明事項は2つの法令に分かれています。
宅地建物取引業法35条1項が10項目、同法施行規則16条の4の3が12項目。合計22項目です。

建物の貸借の重要事項説明 合計 22項目 宅建業法 35条1項 10項目 登記・法令上の制限・設備の整備状況 借賃以外の金銭・契約の解除 違約金・預り金の保全 など 施行規則 16条の4の3 12項目 災害の警戒区域・水害ハザードマップ 石綿・耐震診断・設備の整備状況 契約期間と更新・敷金の精算 など ※法35条1項14号が施行規則へ委任する形で、2つの法令に分かれている

① 宅地建物取引業法35条1項が定める10項目

説明される内容賃貸で見るポイント
1号登記された権利の種類・内容、登記名義人貸主が本当に所有者か。抵当権の有無
2号都市計画法・建築基準法などの法令に基づく制限の概要建物の用途に関わる制限
4号飲用水・電気・ガスの供給、排水施設の整備状況プロパンガスか都市ガスか。未整備なら見通しと負担
5号未完成物件の場合、完了時の形状・構造新築で図面のみの契約のとき
6号区分所有建物の場合、専有部分の利用制限の規約と管理受託者マンション規約でのペット・楽器の可否
6号の2既存建物の場合、建物状況調査の実施の有無と結果の概要実施済みなら結果を確認
7号借賃以外に授受される金銭の額と、その授受の目的最重要。礼金・敷金・鍵交換代などの内訳
8号契約の解除に関する事項最重要。途中解約の条件と予告期間
9号損害賠償額の予定または違約金に関する事項最重要。短期解約違約金はここ
11号支払金・預り金を受領する場合の保全措置の有無と概要申込金を預ける場合の扱い
出典:宅地建物取引業法 第35条第1項(e-Gov法令検索)をもとに、建物の貸借に該当する号を抜粋して作成

番号が飛んでいるのは、売買にしか関係しない号があるためです。たとえば3号(私道に関する負担)は、条文自体に「当該契約が建物の貸借の契約以外のものであるときは」と書かれており、建物を借りる契約では説明対象になりません。

内容賃貸で説明されない理由
3号私道に関する負担条文が「建物の貸借の契約以外のもの」に限定
10号手付金等の保全措置売買代金の手付金に関する規定(41条)のため
12号代金・交換差金の金銭貸借のあっせん住宅ローンの話であり、賃貸では発生しない
13号契約不適合責任の履行に関する措置売買・交換の目的物に関する規定のため
出典:宅地建物取引業法 第35条第1項、同法施行規則 第16条の2の3(e-Gov法令検索)をもとに作成

② 施行規則16条の4の3が定める12項目

35条1項14号は、細かい項目を国土交通省令に委任しています。その受け皿が施行規則16条の4の3です。

第十六条の四の三 法第三十五条第一項第十四号イの国土交通省令・内閣府令及び同号ロの国土交通省令で定める事項は、(中略)建物の貸借の契約にあつては第一号から第五号まで及び第七号から第十二号までに掲げるものとする。

宅地建物取引業法施行規則 第16条の4の3(e-Gov法令検索)
説明される内容賃貸で見るポイント
1号造成宅地防災区域内にあるときは、その旨該当しない物件が大半
2号土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨該当すれば必ず告げられる
3号津波災害警戒区域内にあるときは、その旨沿岸部で確認
3号の2市町村が提供する水害ハザードマップにおける、その物件の所在地浸水想定の深さまで見る
4号石綿(アスベスト)使用調査の結果が記録されているときは、その内容記録がなければ「なし」と説明される
5号1981年6月1日より前に着工した建物で耐震診断を受けているときは、その内容旧耐震の建物で確認
7号台所・浴室・便所その他の設備の整備状況エアコン・給湯器が設備か残置物かを聞く
8号契約期間および契約の更新に関する事項最重要。更新料の有無と金額
9号定期借家(借地借家法38条1項)にあたるときは、その旨最重要。更新がない契約かどうか
10号用途その他の利用に係る制限に関する事項ペット・楽器・事務所利用・同居人の可否
11号敷金その他、契約終了時に精算することとされている金銭の精算に関する事項最重要。ハウスクリーニング代の負担
12号管理が委託されているときは、受託者の氏名・住所入居後の連絡先はここ
出典:宅地建物取引業法施行規則 第16条の4の3(e-Gov法令検索)をもとに、建物の貸借に該当する号を抜粋して作成

7号の「設備の整備状況」は、エアコンや給湯器が「設備」なのか「残置物」なのかを切り分ける根拠になります。残置物だと、壊れても貸主に修理義務がないのが通常です。ここは必ず口頭で確認してください。

あわせて読みたい:賃貸のエアコンが壊れた、修理費は誰が払う?給湯器・水漏れも民法606条から徹底解説


22項目のうち、お金でもめやすいのはこの5つ

22項目すべてを同じ熱量で聞く必要はありません。
退去時のトラブルまで含めて考えると、金額に直結するのは5つの項目に集中しています。

お金が動く場面 重要事項説明での該当項目 入居時(初期費用) 法35条1項7号 借賃以外に授受される金銭 礼金・敷金・鍵交換代・保証料の額と目的 途中で解約するとき 法35条1項8号 契約の解除に関する事項 解約予告は何か月前か 短期で解約するとき (1〜2年以内) 法35条1項9号 損害賠償額の予定・違約金 短期解約違約金はここに書かれる 更新のとき 施行規則8号 契約期間および契約の更新 更新料の有無と金額 退去時 施行規則11号 契約終了時に精算する金銭

7号|借賃以外に授受される金銭は「額」と「目的」の両方が説明される

条文は「金銭の額及び当該金銭の授受の目的」と書いています。
つまり金額だけでなく、何のためのお金かも説明義務の対象です。「その他費用 33,000円」のような説明は、条文の要求を満たしていません。

見積書に見慣れない項目があったら、「これは7号の説明として、目的は何になりますか」と聞けば、根拠のある質問になります。

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8号・9号|「いつ出られるか」と「いくら取られるか」は別項目

8号が契約の解除、9号が違約金です。この2つは別の号なので、片方だけ説明されて終わることがあります。

  • 解約の予告は何か月前か(1か月前が一般的だが、2か月前の物件もあります)
  • 予告期間に足りない場合、その分の家賃を払う扱いになるか
  • 入居から一定期間内に解約した場合の違約金の有無と金額
  • 違約金があるなら、何か月分で、いつまでが対象期間か

あわせて読みたい:「えっ、退去するのに違約金が必要?」賃貸の短期解約違約金とは?相場や回避のコツを解説賃貸の「解約予告」とは?退去のタイミングで失敗しないための基本ルールと、二重家賃を防ぐ裏技

施行規則11号|敷金の精算方法は、入居前に文章で確認できる

退去費用のトラブルは、退去してから起きるのではありません。入居前の説明を聞き流したところから始まります。

施行規則11号は「敷金その他いかなる名義をもつて授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項」です。名義を問わないと書かれているので、「敷引き」「定額クリーニング費」「原状回復費」など、どんな呼び方でも説明の対象になります。

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施行規則8号・9号|「更新できる契約かどうか」は絶対に確認する

施行規則9号は、その契約が借地借家法38条1項の定期借家にあたるときは、その旨を説明しなければならないと定めています。

定期借家は期間満了で必ず終了し、更新がありません。家賃が相場より安いことがありますが、住み続けたくても住めない可能性があります。「2年契約」と聞いて普通の契約だと思い込むと、2年後に住む場所を失います。

あわせて読みたい:賃貸契約の更新とは?更新料や手続きの流れを解説!


重要事項説明書と賃貸借契約書は別物

当日は2種類の分厚い書類が出てきます。役割がまったく違うので、混同しないでください。

重要事項説明書の根拠が35条、契約書(37条書面)の根拠が37条です。
賃貸の契約書に何を書くかも、法律が定めています。

2 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の貸借に関し、(中略)次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
一 前項第一号、第二号、第四号、第七号、第八号及び第十号に掲げる事項
二 借賃の額並びにその支払の時期及び方法
三 借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的

宅地建物取引業法 第37条第2項(e-Gov法令検索)

引用されている1項の各号を当てはめると、賃貸の契約書に必ず書かれるのは次の8項目です。

根拠契約書に必ず記載される事項
1項1号当事者の氏名(法人は名称)及び住所
1項2号建物の所在・種類・構造その他、その建物を特定するために必要な表示
1項4号建物の引渡しの時期
1項7号契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
1項8号損害賠償額の予定または違約金に関する定めがあるときは、その内容
1項10号天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
2項2号借賃の額、支払の時期および方法
2項3号借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額・時期・目的
出典:宅地建物取引業法 第37条第1項・第2項(e-Gov法令検索)をもとに作成
重要事項説明書 宅建業法 35条 目的:契約するかどうかの判断材料 時期:契約が成立するまでの間 説明者:宅地建物取引士(士証を提示) 内容:22項目(賃貸の場合) ここで断ることができる 賃貸借契約書(37条書面) 宅建業法 37条 目的:契約の内容を確定させる 時期:契約が成立したとき 記名:宅地建物取引士 内容:8項目(賃貸の法定記載事項) 署名した後は簡単に取り消せない 2つの書面で内容が食い違っていたら、その場で必ず指摘する

重要事項説明書と契約書で、違約金の期間や解約予告の月数が食い違っていることが実際にあります。読み比べる時間を取れないなら、次の章の方法で事前に取り寄せてください。


当日の理解度を上げる、たった1つの準備

重要事項説明書と契約書の案を、説明日の前にデータで送ってもらうことです。

法律は「契約が成立するまでの間に」としか定めていないので、当日その場で渡すのも適法です。しかし事前送付を禁じてもいません。頼めば送ってもらえることがほとんどです。

依頼するときの文面はこれで足ります。

重要事項説明の前に内容を確認しておきたいので、重要事項説明書と賃貸借契約書の案をPDFで事前にお送りいただけますか。特に、契約期間と更新の条件、解約予告の期間、短期解約違約金の有無、退去時の精算方法を先に把握しておきたいです。

事前に読んでおけば、当日は疑問点の確認だけになります。1時間の説明を初見で理解しようとするより、はるかに安全です。

オンラインでの重要事項説明も、法律上は同じ扱い

2022年5月の改正で、書面の電子交付も認められました。

8 宅地建物取引業者は、第一項から第三項までの規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、(中略)承諾を得て、宅地建物取引士に、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(中略)により提供させることができる。この場合において、当該宅地建物取引業者は、当該宅地建物取引士に当該書面を交付させたものとみなし、同項の規定は、適用しない。

宅地建物取引業法 第35条第8項(e-Gov法令検索)

ポイントは「承諾を得て」という部分です。電子交付にするかどうかは、借りる側が選べます。紙で受け取りたければそう伝えて問題ありません。

あわせて読みたい:【完全非対面】オンライン内見からIT重説・契約までの流れ!来店不要で引っ越すコツ賃貸の申し込みに必要な書類まとめ|入居審査をスムーズに進める準備リスト


説明義務の対象外だが、確認しないと損をする項目

22項目は「不利益を避けるための最低ライン」です。金額を下げる方向の情報は、ここに含まれていません。

確認したいこと説明義務自分から聞かないとどうなるか
仲介手数料の金額対象外見積書の金額のまま確定する
フリーレントの有無対象外設定があっても案内されないことがある
家賃・礼金の交渉余地対象外募集条件のまま契約する
火災保険を自分で選べるか対象外指定の保険にそのまま加入する
設備が「残置物」かどうか7号で一部対象整備状況の説明だけで終わることがある
出典:宅地建物取引業法 第35条第1項、同法施行規則 第16条の4の3(e-Gov法令検索)をもとに作成

特に仲介手数料は、重要事項説明の場ではもう動きません。金額が決まるのは、どの会社に申し込むかを選んだ時点だからです。

あわせて読みたい:SUUMOで見つけた物件は他の不動産会社でも契約できる?仲介手数料を安くする「持ち込み」を法令から解説賃貸契約でも火災保険は強制加入?補償内容や加入しないデメリットも解説

契約前チェックの順番

  • 物件を決める前……どの会社に申し込むかを決める(仲介手数料が決まる)
  • 内見のとき……設備の状態と周辺環境を自分の目で確認する
  • 申し込みの前……初期費用の見積書をもらい、総額を確認する
  • 重要事項説明の前……重説と契約書の案をPDFでもらって読む
  • 重要事項説明の当日……22項目のうち、7号・8号・9号・規則8号・規則11号を重点的に聞く
  • 署名の直前……重説と契約書で条件が一致しているかを見比べる

あわせて読みたい:賃貸契約に必要なものとは?手続きの流れや書類チェックリストを紹介!


よくある質問

賃貸の重要事項説明では、全部で何項目が説明されますか?

建物の賃貸借の場合、22項目です。宅地建物取引業法第35条第1項のうち賃貸に該当する10項目(1号・2号・4号・5号・6号・6号の2・7号・8号・9号・11号)と、同法施行規則第16条の4の3が定める12項目(1号から5号まで、および7号から12号まで)の合計です。3号の私道負担、10号の手付金等の保全、12号の金銭貸借のあっせん、13号の契約不適合責任は、建物の貸借では説明対象になりません。

重要事項説明は契約の後でもいいのですか?

いけません。宅地建物取引業法第35条第1項は「契約が成立するまでの間に」説明させなければならないと定めています。契約書に署名した後の説明は、この規定に違反します。また説明は宅地建物取引士が行う必要があり、同条第4項により宅地建物取引士証の提示も義務づけられています。

重要事項説明書と賃貸借契約書は何が違いますか?

根拠となる条文と目的が違います。重要事項説明書は宅地建物取引業法第35条にもとづき、契約するかどうかを判断するために契約前に交付される書面です。賃貸借契約書は同法第37条にもとづき、契約の内容を確定させるために契約成立時に交付される書面で、賃貸では当事者の氏名・住所、建物の表示、引渡しの時期、契約の解除、違約金、不可抗力による損害の負担、借賃の額と支払方法、借賃以外の金銭の8項目が法定の記載事項です。

短期解約違約金は重要事項説明のどこに書かれますか?

宅地建物取引業法第35条第1項第9号「損害賠償額の予定又は違約金に関する事項」に書かれます。解約の予告期間そのものは第8号「契約の解除に関する事項」で、別の項目です。この2つは条文上分かれているため、片方だけ説明されて終わることがあります。違約金の金額と、対象になる期間の両方を確認してください。

重要事項説明書を事前に送ってもらうことはできますか?

依頼すれば送ってもらえることがほとんどです。法律は「契約が成立するまでの間に」としか定めておらず、事前の送付を禁じていません。契約期間と更新の条件、解約予告の期間、短期解約違約金の有無、退去時の精算方法の4点を先に読んでおくと、当日は疑問点の確認だけで済みます。

重要事項説明を受けた後でも断れますか?

断れます。重要事項説明は契約が成立する前の手続きなので、説明を聞いた時点ではまだ契約していません。説明で初めて知った条件が受け入れられないなら、契約しないという選択ができます。ただし申込金を預けている場合の返還の扱いは、あらかじめ確認しておいてください。


まとめ

  • 賃貸の契約前チェックリストの正体は、重要事項説明の22項目
  • 内訳は宅建業法35条1項の10項目+施行規則16条の4の3の12項目
  • 説明は契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士が士証を提示して行う
  • お金に直結するのは7号・8号・9号・規則8号・規則11号の5項目
  • 更新のない定期借家かどうかは規則9号で必ず説明される。聞き逃さない
  • 重説と契約書は別物。条件が食い違っていないか読み比べる
  • 仲介手数料は説明義務の対象外。会社を選ぶ時点で決まっている

22項目は、あなたが不利益を受けないための最低ラインです。
そこから先、初期費用を下げられるかどうかは、重要事項説明より前の段階で決まります。

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出典:宅地建物取引業法 第35条・第37条(e-Gov法令検索)/宅地建物取引業法施行規則 第16条の2・第16条の2の3・第16条の4の3(e-Gov法令検索)
※本記事は2026年9月6日時点の法令にもとづきます。

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