同棲・夫婦の連名契約とは?メリット・デメリットと決め方を解説

同棲・夫婦の連名契約とは?メリット・デメリットと決め方を解説

この記事では、連名契約とは何か、1人契約との違い、メリット・デメリット、どんな人が向いているか、同棲や夫婦で事前に話し合っておくべきことを整理します。あわせて、不動産会社に確認すべきポイントや、実務上よくあるつまずきもまとめます。

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目次

まず結論

同棲や夫婦の部屋探しでは、まずは収入が安定しているほうを契約者にするのが基本です。
同棲時の契約者は主に「収入の多いほうが契約者になる」か「2人で連名契約する」かの2パターンがあると整理しています。さらに、誰を契約者にするかによって審査の通りやすさが変わり、収入の多いほうが契約者になると家賃滞納リスクを軽減しやすいと説明しています。

一方で、連名契約はいつでもどの物件でも選べるわけではありません。
物件によっては対応しておらず、対応していてもそれぞれに書類や連帯保証人が必要になることがあります。
そのため、同棲・夫婦の契約では「連名契約にするかどうか」だけでなく、審査の通りやすさ、手続きの重さ、将来の変更リスクまで含めて考えるのが大切です。


連名契約とは?

連名契約とは、入居者全員が契約の主体者になる契約方法です。
同棲時の契約者の形として、収入の多いほうが契約者になるパターンと、それぞれが契約者になる連名契約の2つがあります。さらに、1つの物件に複数の契約者を設けることは物件により可能です。

これに対して、一般的によくあるのが1人契約+同居人登録です。
この場合、契約者は1人で、もう1人は「同居人」として申込書や契約書に記載されます。契約者でないほうの続柄は「同居人」になり、氏名や生年月日、勤務先などの情報を記載するのが一般的です。

つまり、同棲や夫婦の賃貸契約では、最初から自動的に連名契約になるわけではありません。
1人が契約者になる方法と、2人とも契約者になる方法があるというのが正確な理解です。


1人契約と連名契約の違い

1人契約+同居人登録

もっとも現実的で多いのがこの形です。
収入が安定しているほうを主契約者にし、もう1人は同居人として登録します。同棲時は契約者を誰にするかで審査の通りやすさが変わり、収入の多いほうを契約者にすることには意味があります。

この方法のメリットは、手続きが比較的シンプルで、審査も整理しやすいことです。
とくに、どちらか一方の収入がはっきり安定している場合は、この方法のほうが進めやすいことが多いです。

連名契約

連名契約は、2人とも契約者になります。
連名契約にすることで、どちらか一方が退去しても再契約をせずに済む場合があり、家賃滞納リスクの軽減にもつながるメリットがあります。

ただし、後述するように、連名契約ではそれぞれに保証人や書類が必要になることがあるため、実務上は手続きが重くなりやすいです。


連名契約のメリット

契約責任が片方だけに偏りにくい

連名契約の大きなメリットは、どちらか一方だけが契約責任を負う形になりにくいことです。
同棲や夫婦で家賃を共同で負担する前提なら、「住んでいるのに片方だけが契約者」という状態よりも、責任の所在が分かりやすくなります。

将来の変更時に整理しやすい場合がある

連名契約のメリットとして、どちらか一方が退去しても再契約をせずに済むことがあります。
つまり、1人契約だと契約者が出る場合に名義変更や再契約の話になりやすいのに対し、連名契約ならその整理が比較的しやすい場面があります。

家計全体の安定感を見せやすい

双方に安定収入があるなら、家計全体としての支払い能力を見せやすい面があります。
同棲や夫婦の家賃負担が実態として2人で成り立っているなら、それを契約形態にも反映しやすいのが連名契約です。


連名契約のデメリット

物件によっては対応していない

連名契約は理屈上可能でも、すべての物件で当然に認められるわけではありません。
物件や管理会社によっては、契約者は1人のみとしているケースもあります。そのため、最初から「連名で進めたい」と思っているなら、募集条件の段階で確認したほうがいいです。

書類や手続きが増えやすい

連名契約の場合、各人1人ずつ、計2人の連帯保証人が必要になる場合があります。
また、連帯保証人に関する書類として、同意書、署名・捺印、身分証コピー、印鑑登録証明書、収入証明書などが必要になることも紹介しています。つまり、1人契約よりも必要書類や関係者が増えやすいです。

解消時や退去時に逆に面倒になることもある

連名契約は「将来整理しやすい」面がある一方で、関係解消時に2人の意思がズレると逆に面倒になることもあります。
どちらが残るのか、家賃をどう負担するのか、解約はどうするのかを曖昧にしていると、契約そのものよりその後の調整で揉めやすくなります。


連帯保証人が必要な場合はどうなる?

契約者が1人の場合は、契約者のみが連帯保証人を1人立てるのが一般的です。
一方で、連名契約の場合は、それぞれが契約者となるため、各人1人ずつ計2人の連帯保証人が必要になります。

また、連帯保証人は、支払い能力と契約者との関係性が重視され、安定収入のある親や兄弟姉妹、叔父叔母などの親族に頼むのが確実とされています。頼める人がいない場合は、賃貸保証会社を利用する方法もあると整理されています。保証料の一般例として初年度に家賃の0.5〜1カ月分程度、以降は1〜2年ごとに更新料という目安があります。

つまり、連名契約は「2人で契約するから安心」というだけではなく、保証人や保証会社の設計もそれに応じて重くなる可能性があるということです。


どう決めるべきか

審査通過を優先するなら、まずは安定収入側を主契約者にして、もう一方を同居人として登録する方法が最も現実的です。
収入の多いほうを契約者にすることは、入居審査の通りやすさという意味があります。

一方で、次の条件がそろっているなら、連名契約を検討する余地があります。

  • 双方に安定収入がある
  • 長く住む予定がある
  • 物件側が連名契約に対応している
  • 保証人や必要書類の準備ができる
  • 将来の変更時の考え方を2人で共有できている

逆に、まだ同棲初期で関係性や住み方が固まっていない場合は、手続きが重い連名契約より、1人契約+同居人登録のほうがシンプルなケースも多いです。


不動産会社に最初に伝えるべきこと

同棲で部屋を借りるときは、何となく面倒そうだからと同棲を告げずに借りるのはNGであり、きちんと伝えたうえで手続きを進めるべきだと説明しています。賃貸借契約書に記載した入居者以外が住むのは契約違反になるためです。

つまり、まず伝えるべきなのは次の点です。

  • 同棲予定か夫婦での入居か
  • 契約者は1人想定か、連名希望か
  • 2人とも入居予定であること
  • 収入や勤務状況の概要
  • 保証人や保証会社の見込み

ここを曖昧にすると、あとで「聞いていなかった」が起きやすいです。


不動産会社に確認するときの聞き方

そのまま使える形で載せます。

パターン1:連名契約できるか確認したい

「この物件は、2人とも契約者になる連名契約に対応していますか」

パターン2:1人契約で進めたい

「同棲予定なのですが、1人を契約者、もう1人を同居人として登録する形で進められますか」

パターン3:保証人の扱いを確認したい

「連名契約の場合、保証人や保証会社の扱いはどうなりますか。2人分必要でしょうか」

パターン4:必要書類を先に知りたい

「同棲で申し込む場合、2人分で必要になる書類を先に教えてください」


タダスム実務メモ

同棲物件で一番多い失敗は、契約時は勢いで決めるのに、解消時や変更時の運用を考えていないことです。

連名にするかどうか以上に、次の2点を先に話しておくほうが、あとで揉めにくいです。

  • どちらかが先に出る可能性があるか
  • 家賃負担が偏りすぎていないか

実務では、「契約の形」よりも、住んだあとにどう運用するかのほうが問題になりやすいです。
たとえば、片方が転勤する、別れる、収入が落ちる、といったことは珍しくありません。
だからこそ、契約時点で「今うまくいっているか」だけで決めず、変化が起きたときにどうするかまで話しておくのが大事です。

また、同棲でよくあるのは、
「連名契約のほうがなんとなく平等そう」
という理由だけで選んでしまうことです。
でも実際には、審査の通りやすさ、必要書類、保証人の数、変更時の手間まで含めて見ると、必ずしも連名契約が最適とは限りません。
賃貸では、見た目の平等さより、実務の進めやすさが大事です。


よくある質問

Q. 連名契約のほうが審査に通りやすいですか?

一概には言えません。
収入の多いほうを契約者にしたり、連名契約にしたりするのは入居審査に通りやすくする意味がありますが、連名契約では手続きや必要書類が増えるぶん、シンプルに1人契約のほうが進めやすいケースもあります。

Q. 同棲なら必ず連名契約にしたほうがいいですか?

いいえ。
実務では、1人契約+同居人登録で進むケースも多いです。
契約形態は、物件側の運用と2人の状況を見て決めるのが現実的です。

Q. 同棲を隠して1人暮らしとして契約しても大丈夫ですか?

おすすめできません。
賃貸借契約書に記載した入居者以外が住むのは契約違反になるため、同棲するならきちんと伝えて手続きを進めるべきです。契約内容によっては解約事由に該当する場合があります。

Q. 連帯保証人を立てられない場合はどうすればいいですか?

連帯保証人を頼めない場合は、賃貸保証会社を利用する方法があります。保証料の目安として、初年度に家賃の0.5〜1カ月分程度、以降は1〜2年ごとの更新料が一般的とされています。


まとめ

同棲・夫婦の賃貸契約では、連名契約が必ず正解ではありません。

大切なのは次の3つです。

審査の通りやすさを優先するなら、まずは安定収入側を契約者にすること
連名契約は、物件対応の有無と必要書類・保証人の重さまで含めて考えること
将来どちらかが出る可能性や家賃負担まで、2人で先に話しておくこと

見た目の公平さだけで決めると、あとで運用が苦しくなることがあります。
同棲や夫婦の部屋探しでは、今の感情だけでなく、住んだあとの実務まで含めて決めることが失敗しないコツです。

参考にした公開情報

  • LIFULL HOME’S「同棲の賃貸借契約のギモン 契約者、続柄、連帯保証人はどうする?」
  • LIFULL HOME’S「ルームシェアで賃貸借契約を結ぶ際のポイント」

執筆:タダスム編集部
監修:[宅地建物取引士・澁澤勇輝]

本記事は、LIFULL HOME’Sなどの公開情報を確認したうえで、タダスム編集部の実務視点を加えて作成しています。
※連名契約の可否や必要書類、保証人の扱いは物件ごと・管理会社ごとに異なるため、最終的には募集条件と不動産会社への確認を優先してください。LIFULL HOME’Sでも、同棲の賃貸借契約では契約者の決め方や必要書類、保証人の立て方がケースによって変わると説明しています。


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