賃貸物件の「仲介手数料無し」とは?仲介手数料が無料になる理由と注意点を解説

部屋探しをしていると、時々「仲介手数料無し」の賃貸物件を見かけませんか?
お得なイメージはありますが、「仲介手数料」についてよく知らない方もいるでしょう。

そこで本記事では、仲介手数料について徹底解説します。
賃貸物件の仲介手数料が無料になる理由や注意点も紹介しますので、部屋探しをしている方はぜひ最後までご覧ください。

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目次

仲介手数料とはどんなお金?

仲介手数料とは、不動産の仲介業務の対価として支払うお金です。

この章では、仲介手数料の詳細を解説します。

仲介業務の対価

不動産を介して物件を借りた場合、仲介手数料を不動産に支払います。

賃貸物件の仲介手数料は、宅地建物取引業法46条にて規定されています。

【仲介手数料とは】
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。

引用:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

仲介手数料の目安については、この後に解説します。

仲介手数料の目安

仲介手数料の目安は、借主と貸主それぞれ「家賃の0.5ヶ月分」です。

承諾がある場合は、借主と貸主のいずれか片方から、不動産は家賃1ヶ月分の仲介手数料を受け取れます。

ただし、日本では昔から「仲介手数料は借主が支払うもの」と認識されています。

そのため、借主は「家賃1ヵ月分+消費税=家賃の1.1ヶ月分」の仲介手数料を支払うことが多いです。

仲介手数料の具体的な計算方法は、以下の通りです。

【家賃5万円の場合】

5万円+(5万円×消費税10%)=5万5千円

【家賃10万円の場合】

10万円+(10万円×消費税10%)=11万円

家賃5万円の場合は、仲介手数料の目安が5万5千円となり、家賃10万円の場合は、仲介手数料の目安が11万円となります。

仲介手数料が無料になる2つの理由

仲介手数料が無料になる理由は、2つあります。

1.不動産会社が賃貸物件を直接管理しているから
2.貸主が自ら仲介手数料を支払っているから

それぞれ具体的に見ていきましょう。

①不動産会社が賃貸物件を直接管理しているから

不動産会社が賃貸物件を直接管理していると、仲介手数料がかかりません

賃貸物件の貸主は、個人の大家さんであることが多いです。

この場合、不動産会社はサービス業務の提供者という立場で借主と関わります。

一方、不動産で管理している物件は、仲介業務が発生しないため仲介手数料の支払いが不要です。

直接物件を管理することで、物件の品質管理や入居者のニーズにきめ細かく対応できるメリットもあり、結果的に空室リスクを低減し、長期的な収益安定につながります。

不動産会社の仲介業務の例は、以下の通りです。

【不動産会社の仲介業務の例】
賃貸物件探し賃貸物件や契約内容についての説明内見の案内賃貸物件の貸主との交渉契約書類作成などの事務作業

不動産業務の仲介業務は、ただ物件を紹介するだけではありません。

契約に関する事務作業や貸主との交渉など、部屋を借りるために必要な業務全てが含まれます

②貸主が自ら仲介手数料を支払っているから

貸主が自ら仲介手数料を支払っている場合も、仲介手数料が無料となります

先述した通り、仲介手数料は「借主と貸主のいずれか片方から」受け取っても問題ありません。

貸主は物件の魅力を高め、入居者を早期に確保するために、仲介手数料を自ら負担することがあります。

この方法により、物件の市場競争力を高め、空室期間の短縮や入居率の向上を図ることができるのです。

仲介手数料無しの賃貸物件の注意点

ここからは、仲介手数料無しの賃貸物件の注意点を解説します。

・賃貸物件に不利な条件がある
・不動産会社から仲介手数料以外で請求される

注意点を把握した上で、仲介手数料無しの賃貸物件を契約しましょう。

賃貸物件に不利な条件がある

仲介手数料無しの賃貸物件には、借主にとって不利な条件があるかもしれません

例えば、契約更新時の更新料が高額であったり、敷金の返金条件が厳しかったりするのです。

また、設備や設備の維持管理に関して、通常の賃貸物件と比べて劣る条件が設定されていることもあります。

築年数が古い物件や、立地条件が不利な場所に位置する物件で、「仲介手数料無料」を魅力的な条件として提示していることも少なくありません。

不動産会社から仲介手数料以外で請求される

不動産会社から仲介手数料以外で請求される追加費用には、注意してください

具体的には、物件の下見や契約時に発生する事務手数料、鍵交換費用、クリーニング費用、保証人保証料、火災保険料など、様々な名目で追加料金が発生することがあります。

これらの費用は、仲介手数料が無料であることで、見た目上のコスト削減を実現しながら、別の方法で実質的な収益を確保しようとする不動産会社の戦略によるものです。

「仲介手数料無しだからお得」と考えるのではなく、トータルコストを慎重に確認しましょう

仲介手数料以外に初期費用を抑える方法

続いて、仲介手数料以外に初期費用を抑える方法を解説します。

・敷金無し物件を探す
・礼金無し物件を探す
・フリーレント物件を探す
・引越し費用を抑える
・初期費用を分割払いにする

お得に部屋を借りたい方は、ぜひこの章をご覧ください。

敷金無し物件を探す

敷金無し物件は、初期費用を大幅に削減できます。

敷金とは、賃貸物件を借りる際に大家さんや管理会社に預けるお金です。

敷金の目的や特徴を以下にまとめました。

目的退去時に部屋の修繕費や未払いの家賃があった場合に備えておく。
特徴預かり金のため、退去時に問題がなければ一部または全額が返金される。

敷金は通常、月額家賃の1〜2か月分を要求されます

そのため、敷金無しの物件は入居者にとって大きな魅力となるでしょう。

敷金無しの物件は、新築や築浅物件、人気エリアから外れた立地、または不動産会社の独自キャンペーンによって提供されることが多いです。

ただし、敷金無しの代わりに、契約条件や設備面で通常よりも厳しい条件が設定されている可能性があるため、契約内容を十分に確認する必要があります。

礼金無し物件を探す

礼金無し物件を探すことも、初期費用を抑える効果的な方法です。

礼金は、賃貸契約時に貸主に支払うお金で、通常は敷金同様に月額家賃の1〜2か月分が要求されます

礼金無し物件は、競争の激しい不動産市場で物件の魅力を高めるために提供されることが多いです。

特に、新築マンションやリノベーション物件、学生向け物件などで、礼金を免除するケースが見られます。

ただし、礼金無しの条件は、契約期間の制限や更新時の追加費用など、別の条件と交換されている可能性があるため、詳細な契約内容の確認が重要です。

フリーレント物件を探す

フリーレント物件を探すことで、初期の家賃負担を軽減できます。

フリーレントとは、契約初期の一定期間(通常1〜3か月)の家賃が無料または大幅に減額される特典のことです。

フリーレントは、新築物件や長期空室物件、季節的な需要が低い時期に提供されやすいのが特徴です。

入居者の初期費用を抑えると同時に、不動産会社の空室リスクを低減するWin-Winの戦略となります。

ただし、フリーレント期間終了後の家賃や契約条件を慎重に確認し、長期的な費用対効果を見極める必要があります。

引越し費用を抑える

引越し費用を抑えると、初期費用を抑えられます。

引越し費用を抑える方法は、以下の通りです。

引越し業者の繁忙期(3月〜4月)を避ける格安の引越し業者を利用する業者なしの自力引越しを検討する

繁忙期を避けることで、引越し料金を30〜50%程度削減できる可能性があります

また、引越し業者の比較見積もりや、知人や友人の助けを借りる方法、レンタカーを利用した自力引越しなどで、大幅な費用削減が可能です。

さらに、不要な家具の処分や梱包材の節約、引越し時期の柔軟な調整など、様々な工夫で引越し費用を抑えられます。

初期費用を分割払いにする

初期費用を分割払いにするのは、一時的な経済的負担を軽減させる効果的な選択肢です。

多くの不動産会社や保証会社が、敷金・礼金・初回家賃などの初期費用を複数回に分けて支払うプランを提供しています。

通常、3〜6か月に分割して支払うことができ、月々の支払い額を抑えられます。

ただし、分割払いには手数料が発生する場合があるため、総支払額の増加に注意が必要です。

また、クレジットカードや分割払いサービスを利用することで、さらに柔軟な支払い方法を選択できます。

仲介手数料に関するよくある質問

最後に、仲介手数料に関するよくある質問を解説します。

・どのタイミングで仲介手数料を支払うの?
・部屋が決まらなくても支払うの?
・仲介手数料は値下げ交渉できる?

仲介手数料に関する疑問を解消させて、部屋探しを円滑に進めましょう

どのタイミングで仲介手数料を支払うの?

仲介手数料を支払うタイミングは、通常、賃貸物件の契約締結時です。

具体的には、賃貸物件の契約書にサインし、重要事項説明を受けた後、不動産会社のカウンターで支払います。

多くの場合、敷金や礼金、初回家賃と一緒に仲介手数料も精算されるため、入居前に一括で支払うのが一般的です。

支払い方法は現金のほか、クレジットカードや電子決済など、不動産会社によって異なる選択肢があります。

部屋が決まらなくても支払うの?

部屋が決まらない場合は、原則として仲介手数料を支払う必要はありません

ただし、一部の不動産会社では、物件下見や資料請求などにかかる実費として、わずかな手数料を請求する場合もあります。

そのため、事前に不動産会社へ確認しておくことが重要です。

仲介手数料は値下げ交渉できる?

仲介手数料は、状況により値下げ交渉が可能です。

特に、長期空室物件や築年数が経過した物件、立地条件が不利な物件などでは、交渉の余地が生まれます。

また、同一エリアの複数の不動産会社を比較し、競合他社の条件と照らし合わせることで、交渉材料を見つけられます。

仲介手数料の値下げ交渉における具体的な交渉材料は、以下の通りです。

【交渉材料】

物件に関する交渉材料・長期空室物件・築年数が古い物件・設備が不十分な物件・最寄り駅から距離がある物件・騒音や日当たりなどの問題がある物件
借主に関する交渉材料・安定した収入・長期入居の意思・同時に複数物件を契約する可能性・紹介や口コミによる新規顧客獲得
時期や市場状況に関する交渉材料・引越しの繁忙期を外れた時期・不動産市場の需要が低迷している時期・地域の経済状況・COVID-19などのパンデミックが起きている時期

仲介手数料の値下げ交渉の成功は、不動産会社の方針や市場状況に大きく依存します。

また、仲介手数料の値下げ交渉は、「交渉が成立した場合は必ず物件を契約する」など誠実な対応を心がけましょう。

まとめ

本記事では、賃貸物件の仲介手数料が無料になる理由や注意点、仲介手数料以外に初期費用を抑える方法を解説しました。

賃貸物件の仲介手数料が無料になる理由は、以下の2つです。

1.不動産会社が賃貸物件を直接管理しているから
2.貸主が自ら仲介手数料を支払っているから

また、仲介手数料無しの賃貸物件は、「賃貸物件に不利な条件がある」「不動産会社から仲介手数料以外で請求される」可能性があります。

仲介手数料以外にも初期費用を抑える方法は複数あるため、状況に合わせて柔軟に対応しましょう。

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