賃貸の保証会社審査に落ちたらどうする?原因と対処法をわかりやすく解説
賃貸の保証会社審査に落ちても、そこで部屋探しが終わるわけではありません。
保証会社ごとに審査基準や見る情報は異なるため、A社で落ちてもB社で通ることはあります。
大事なのは、落ちた理由を深追いすることではなく、次に通すために何を変えるかを考えることです。
この記事でわかること
- 保証会社審査に落ちる主な理由
- 落ちたあとに最初にやるべきこと
- 会社員・転職直後・自営業・学生・無職など属性別の対処法
- 次の申し込みで通りやすくするコツ
- 不動産会社への相談文例
そもそも保証会社とは?
保証会社とは、借主が家賃などを支払えなくなったときに、貸主に対して一定の立替や保証を行う会社です。
近年の賃貸では、連帯保証人ではなく保証会社の利用が前提になっている物件も多く、保証会社の審査は入居審査の重要な一部になっています。
家賃債務保証には、滞納時に保証会社が貸主へ弁済し、その後借主へ請求する「一般保証型」や、毎月貸主へ支払いを行い借主へ立替金を請求する「支払委託型」などがあります。
また、国土交通省は2018年の賃貸住宅標準契約書改定で、従来の「連帯保証人型」に加えて「家賃債務保証業者型」を新たに整備しました。
これは、個人の連帯保証人ではなく、保証会社を使う契約が増えていることを前提にした動きです。
つまり、保証会社審査に落ちること自体は珍しいことではなく、今の賃貸実務で普通に起こりうる関門のひとつと考えたほうが正確です。
保証会社審査に落ちる主な理由
保証会社の審査基準は公開されていないことが多く、落ちた理由が詳しく説明されることもあまりありません。
ただし、賃貸実務では次の4つが主な論点になりやすいです。
1. 家賃が収入に対して重い
もっとも多いのがこれです。
月収や年収に対して家賃が高いと、「継続して支払えるか」の見え方が厳しくなります。
本人としては「払える」と思っていても、保証会社はより保守的に見ます。
特に、部屋の広さや設備を優先して少し背伸びした家賃帯を選んでいる場合は、支払い余力が薄いと判断されやすくなります。
2. 雇用形態や収入の継続性が弱く見える
転職直後、入社直後、業務委託、個人事業主、フリーランス、無職、内定のみの状態などは、収入があっても「今後も安定して入るか」が見えにくくなります。
この場合、単に年収額を見るというより、その収入が継続するかが見られやすくなります。
会社員よりも補足資料が必要になることがあるのは、このためです。
3. 支払い遅延や信用情報の問題
どの情報をどこまで見るかは保証会社ごとに異なりますが、支払い遅延や過去のトラブルが影響することがあります。
ここで大事なのは、保証会社ごとに審査の見方が違うという点です。
だからこそ、落ちた理由をひとつに断定するより、見る会社が違えば結果も変わる前提で動くほうが合理的です。
4. 申込内容の不備・不整合
意外と見落とされがちですが、申込書のミスはかなり大きいです。
勤務先名、年収、入社年月、緊急連絡先、保証人欄などにズレがあると、審査が止まったり、確認に時間がかかったりします。
このタイプは、属性が弱いのではなく、出し方が雑で損をしている状態です。
だからこそ、次回の申し込みでかなり改善しやすいポイントでもあります。
保証会社審査に落ちたあとに最初にやるべきこと
審査に落ちたあと、焦って別の物件へ飛ぶ人も多いですが、まずは順番が大切です。
1. 不動産会社に「別の保証会社に出せるか」を確認する
最優先はこれです。
不動産会社が複数の保証会社と提携していることは珍しくなく、1社で落ちた場合に別会社を案内してくれることがあります。
聞き方はシンプルで問題ありません。
例文
「今回の物件で、別の保証会社に切り替えて再審査できますか」
これだけで十分です。
2. 同じ物件にこだわりすぎない
同じ物件で保証会社を変えられない場合は、家賃帯や条件を少し調整して候補を広げたほうが早いです。
たとえば、
- 駅徒歩を少し伸ばす
- 築年数を少し緩める
- 広さを少し見直す
- 独立洗面台など設備条件を1つだけ外す
このように、条件を1つ緩めるだけで審査の通しやすさは変わることがあります。
ここで大事なのは、
「理想条件を守る」より「まず借りられる条件に寄せる」ことです。
賃貸は、気に入った部屋に住むゲームである一方、そもそも契約できないと始まりません。
3. 追加で出せる書類を整理する
保証会社や管理会社にとって不安なのは、情報が足りないことです。
そのため、属性に応じて補足書類を出せるようにすると通りやすくなります。
たとえば、
- 会社員:源泉徴収票、給与明細
- 転職直後:雇用契約書、内定通知書、労働条件通知書
- 自営業:確定申告書、納税証明書、直近の売上推移
- 学生:親の収入証明、同意書関係
- 無職:預貯金残高、内定通知、親族支援の説明
このように、弱く見える部分を補う資料を用意するのが基本です。
4. 不動産会社に事情を先に共有する
審査に不安がある人ほど、隠すより先に伝えるほうが有利です。
不安要素を早めに共有すると、最初から通しやすい物件や保証会社を選んでもらいやすくなります。
属性別の対処法
同じ「保証会社審査に落ちた」でも、改善策は属性によって変わります。
ここを分けて考えると、次の一手がかなり明確になります。
会社員の場合
会社員で審査に落ちた場合は、まず家賃設定と申込書の整合性を見直してください。
正社員で勤続もあるのに落ちたなら、年収に対して家賃がやや強気か、申込内容に不備があるケースが多いです。
対処法としては、次の3つが基本です。
- 家賃を少し下げる
- 源泉徴収票や給与明細を補足する
- 勤続年数や部署名などを正確に書く
転職直後・入社直後の場合
転職直後は、実際には年収が上がっていても、書面上はまだ安定性が見えにくいことがあります。
この場合は、
- 内定通知書
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
など、これから安定収入が入ることを示す資料が有効です。
不動産会社への伝え方も大切です。
例文
「転職直後で勤続は短いですが、雇用条件通知書は提出できます」
この一言だけでも、通しやすい候補に寄せてもらいやすくなります。
自営業・フリーランスの場合
自営業やフリーランスは、収入そのものより安定性の見せ方が重要です。
1カ月だけ売上が高くても、それだけでは評価されにくいことがあります。
そのため、
- 確定申告書
- 納税証明
- 直近の売上推移
- 通帳や入金履歴の一部
など、継続して収入があることを示す資料があると強いです。
この属性で避けたいのは、申込書上の年収だけ強く見せて、根拠資料がないことです。
数字より、説明できることが大事です。
学生の場合
学生は、本人の属性だけでなく、親の属性や支払い能力が見られることがあります。
そのため、
- 学生証
- 親権者同意
- 親の勤務先情報
- 親の収入関係資料
を早めにそろえておくとスムーズです。
無職・休職中の場合
無職や休職中でも借りられないわけではありません。
ただし、審査上は不利になりやすいため、材料をそろえることが重要です。
たとえば、
- 預貯金残高
- 内定通知
- 親族の支援体制
- 不動産会社に相談して契約しやすい物件を選ぶ
こうした動きがかなり重要になります。
次の申し込みで通りやすくする5つのコツ
家賃を少しだけ落とす
大幅に条件を変えなくても、5,000円〜1万円の差で選択肢が広がることはあります。
「理想の部屋を守る」より、「通る可能性を上げる」発想に切り替えることがポイントです。
申込書を“丁寧すぎるくらい”丁寧に書く
審査では、申込内容の雑さがそのままリスクに見えることがあります。
空欄を作らない、略称を避ける、電話番号を確認する。地味ですがかなり重要です。
追加書類を最初から出せる状態にする
必要になってから探すのでは遅いです。
審査に不安があるなら、最初から「補足書類があります」と言える状態にしておくと進みやすくなります。
緊急連絡先・保証人候補を先に固める
賃貸では、親に頼むつもりなのに勤務先や電話番号が分からない、というケースがよくあります。
審査に弱いと感じる人ほど、ここは事前準備が必要です。
“通りやすい物件”を選ぶ
同じ家賃帯でも、管理会社や物件方針で通りやすさは違います。
だからこそ、不安要素を説明したうえで、最初から通しやすい候補を選ぶのが近道です。
やってはいけないこと
年収や勤務状況を盛る
これは逆効果です。
確認が入ったときに整合性が崩れると、一気に不信感につながります。
落ちた理由だけをしつこく聞く
細かい理由は開示されないことが多いです。
それより、「次はどう通すか」に話を切り替えたほうが早いです。
同じ条件で何度も突っ込む
保証会社だけ変えても、家賃・書類・申込内容が同じなら、結果が大きく変わらないこともあります。
何か1つは変える前提で考えたほうがいいです。
不動産会社への相談文例
そのまま使える形で載せます。
パターン1:別の保証会社に出せるか確認したい
「今回の保証会社では難しかったとのことですが、同じ物件で別の保証会社に切り替えて再審査できる余地はありますか」
パターン2:転職直後で補足資料を出したい
「勤続年数は短いのですが、雇用条件通知書と給与条件の分かる書類は提出できます。審査上プラスになるようであれば共有したいです」
パターン3:家賃を下げて探し直したい
「審査の通りやすさを優先したいので、今より少し家賃を抑えた条件で、通しやすい物件を提案いただけますか」
タダスム実務メモ
このテーマで一番大事なのは、“落ちた理由探し”ではなく“通す設計”に頭を切り替えることです。
審査に落ちた直後は、どうしても「自分がダメだったのでは」と感じやすいですが、実際はそう単純ではありません。
保証会社ごとに見方が違い、物件ごとに通しやすさも違う以上、人の属性だけで決まるものではないからです。
実際、相談現場では
「家賃が高すぎた」というより、
書類不足
親の勤務先情報がすぐ出せない
転職直後なのに補足資料がない
といった、準備不足で止まっているケースもかなりあります。
だからこそ、次にやるべきはこの順番です。
- 別保証会社に出せるか確認する
- 家賃帯を少し見直す
- 補足書類を足す
- 不安要素を不動産会社に先出しする
この順番で動くと、感情的に消耗しにくく、次の一手も早くなります。
よくある質問
Q. 保証会社の審査に1回落ちたら、他の物件でもずっと不利ですか?
そうとは限りません。
保証会社ごとに審査基準や見る情報が異なるため、A社で落ちてもB社で通ることがあります。
Q. 連帯保証人をつければ通りやすくなりますか?
物件や貸主の方針によります。
保証会社ではなく、連帯保証人の追加や変更で進められるケースもあります。
Q. どうしても保証会社審査が不安なときはどうすればいいですか?
最初から不動産会社に事情を共有し、通しやすい物件や保証会社を選んでもらうのが現実的です。
不安を隠すより、先に伝えたほうが進めやすいです。
Q. 契約前に申し込みを撤回したら、お金は戻りますか?
契約前の申込撤回であれば、申込金の返還が問題になるため、支払い時は何の名目で払ったか分かる書面を受け取っておくことが大切です。
まとめ
賃貸の保証会社審査に落ちても、そこで終わりではありません。
むしろ大事なのは、次に何を変えて通すかです。
- 別の保証会社に切り替えられないか確認する
- 家賃帯を少しだけ見直す
- 追加書類で収入や継続性を補足する
- 不安要素を不動産会社に先に伝える
この4つをやるだけで、次の通過率はかなり変わります。
賃貸は、完璧な属性の人だけが勝つ仕組みではありません。
自分に合った通し方を知っている人のほうが、結果的に早く決まります。
参考にした公開情報
- 国土交通省「家賃債務保証業者登録制度」
- 国土交通省「賃貸住宅標準契約書」および改定資料
- 国民生活センター「契約前の申込金返還」
- SUUMO「賃貸保証会社の審査」「入居審査」関連記事
執筆:タダスム編集部
監修:[宅地建物取引士・澁澤勇輝]
本記事は、国土交通省・国民生活センター・賃貸実務に関する公開情報を確認したうえで、タダスム編集部の実務視点を加えて作成しています。
※物件ごと・管理会社ごとに審査基準や運用は異なるため、最終判断は不動産会社・管理会社への確認を優先してください。


