賃貸物件の退去費用の相場はいくら?高額請求を避ける方法も解説!

賃貸物件からの引っ越しは心機一転、新たな生活への期待で胸が膨らむものですが、同時に「退去費用はいくらくらいかかるのだろう?」「不当に高額な請求をされたらどうしよう…」といった不安もつきまとうものです。

特に初めて退去を経験する方にとっては、費用の相場や仕組みが分からず戸惑うことも多いのではないでしょうか。

本記事では、賃貸物件の退去費用の相場を解説します。

退去費用の基本的な内訳から、気になる間取り・居住年数別の相場、そして思わぬ高額請求を避けるための具体的な対策まで解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

賃貸物件の退去費用とは?

賃貸物件を退去する際には、原状回復や清掃などのために「退去費用」が発生します。 

退去費用は、借主が使用した部屋を適切に修繕・清掃し、次の入居者が快適に利用できるようにするための費用です。

退去費用は賃貸借契約に基づいて精算され、多くの場合、入居時に預けた敷金から充当されます。

具体的にどのような内訳があり、誰が負担するのか、敷金との詳しい関係性については詳しく見ていきましょう。

退去費用の主な内訳

退去費用と一口に言っても、その内訳は多岐にわたります

主なものとしては、以下の費用が挙げられます。

内訳概要
原状回復費用借主の故意や過失によって生じた物件の損傷や汚れを修繕するための費用です。原状回復費用には、壁紙の張り替え、床の傷の補修、設備の修理などが含まれます。
ハウスクリーニング代次の入居者のために、専門業者による清掃を行う費用です。契約書に特約として記載されている場合が多く、借主負担となることが一般的です。
鍵交換費用防犯上の理由から、退去後に新しい鍵に交換するための費用です。鍵交換費用も特約で借主負担とされている場合があります。
その他契約内容によっては、畳の表替え費用、襖の張り替え費用、エアコンクリーニング費用などが別途請求されることもあります。

上記の費用は、物件の状態や契約内容によって大きく変動します。

原状回復費用を負担するのは原則借主

賃貸借契約において、借主は「原状回復義務」を負うのが原則です。

これは、借りていた部屋を入居時と同じ状態に戻して返還する義務を指します。

ただし、以下のようなケースでは貸主(大家さん)の負担となります。

経年劣化時間の経過とともに自然に発生する物件の価値の減少。(例:壁紙の日焼け、畳の自然な変色、設備の自然な老朽化など)
通常損耗日常生活を送る上で通常発生すると考えられる軽微な損耗。(例:家具の設置による床のへこみ、画鋲の跡など)

一方で、借主の故意・過失による損傷や、通常の使用を超えるような損耗については、借主が原状回復費用を負担する必要があります

例えば、タバコのヤニによる壁紙の著しい変色、ペットによる柱の傷、不注意で割ってしまった窓ガラスなどがこれに該当します。

原状回復費用と敷金の関係

入居時に支払う「敷金」は、この原状回復費用や家賃滞納時の担保として預けられるお金です。

退去時には、まず敷金から原状回復費用などが差し引かれます。

・敷金 > 原状回復費用などの合計:差額が借主に返還されます。
・敷金 < 原状回復費用などの合計:敷金だけでは足りないため、不足分を追加で請求されます。
・敷金 = 原状回復費用などの合計:敷金が全額充当され、追加請求も返還もありません。

敷金はあくまで預かり金であり、必ず全額が原状回復費用に充てられるわけではありません

適切な範囲を超えた請求がされていないか、しっかりと確認することが重要です。

【間取り・居住年数別】賃貸の退去費用相場をチェック

賃貸物件の退去費用は、物件の状態や契約内容、そして部屋の広さや住んでいた期間によって大きく変動します。

ここでは、一般的な間取りと居住年数に基づいた退去費用の相場を見ていきましょう。

ワンルーム・1Kの退去費用相場

単身者向けのワンルームや1Kは、比較的面積が小さいため、修繕箇所が少ない傾向にあります。

退去費用相場は約20,000円〜40,000円です。

1DK・1LDKの退去費用相場

ワンルーム・1Kよりは居住スペースが広くなるため、その分、修繕費用も若干高くなる傾向があります。

1DK・1LDKの退去費用相場は、約30,000円〜60,000円です。

2DK・2LDK以上の退去費用相場

ファミリー向けの2DKや2LDK以上のお部屋は、面積が広く部屋数も多いため、退去費用も高額になりやすい傾向があります。

2DK・2LDK以上の退去費用相場は、約50,000円〜80,000円です。

居住年数が長いと退去費用は安くなる?経年劣化との関係

「長く住めば住むほど、退去費用は安くなる」という話を聞いたことがあるかもしれません。

これは、建物の価値が時間とともに減少していく「経年劣化」の考え方と深く関わっています

経年劣化とは、建物や設備が時間の経過によって自然に劣化していくことを指します。

例えば、日光による壁紙の色あせ、畳の自然な変色、通常の使用によるフローリングの細かいすり傷、蛇口やドアノブなどの自然な摩耗などがこれに該当します。

賃貸物件の原状回復において、この経年劣化や、通常の住まい方で発生する損耗(通常損耗)については、原則として貸主の負担となります。

借主が費用を負担するのは、故意・過失による損傷や、通常の使用を超えるような損耗があった場合です。

ここで重要になるのが「減価償却」という考え方です。

建物や設備には、それぞれ法的に定められた耐用年数があります。

耐用年数とは、その資産が通常の効用を持続することができる期間のことです。

例えば、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、壁紙(クロス)の耐用年数は6年とされています。

これは、6年経てば壁紙の価値はほぼゼロになるという考え方です。

入居者が故意に壁紙を破ってしまった場合でも、その壁紙がすでに入居時から6年以上経過していた場合、壁紙自体の価値はほとんどないと見なされます。

そのため、借主が負担する張り替え費用は大幅に減額されるか、場合によっては請求されないでしょう。

逆に入居後1年で破いてしまった場合は、残りの耐用年数(5年分)の価値を毀損したと見なされ、借主の負担割合は高くなります。

つまり、居住年数が長くなるほど、多くの設備や内装が経年劣化の進行や耐用年数の経過により、その価値が減少していきます。

そのため、万が一借主の責任で修繕が必要になった場合でも、その負担割合は新品同様の状態と比較して低くなる傾向があるのです。

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

退去費用が高額になる主な原因と注意点

ここからは、退去費用が高額になる主な原因と注意点を解説します。

故意・過失による損傷は高額請求の対象に!具体例を紹介

退去費用が高額になる最も一般的な原因は、借主の「故意・過失」による物件の損傷です。

故意とはわざと行う行為、過失とは不注意によって生じた結果を指します。

これらは経年劣化や通常損耗とは明確に区別され、修繕費用は原則として全額借主負担となります。

故意・過失による損傷と見なされやすい具体例は、以下の通りです。

タバコのヤニ汚れや臭い

壁紙や天井が広範囲に黄ばんだり、臭いが染み付いたりした場合、全面的な張り替えや特殊なクリーニングが必要となり高額になります。

床やカーペットに焦げ跡を作ってしまった場合も同様です。

ペットによる傷や汚れ

犬や猫が柱や壁、床を引っ掻いた傷、おしっこによるシミや臭いは、修繕や消臭作業に多額の費用がかかります。

特に臭いが染み付くと、壁紙だけでなく下地ボードの交換まで必要になることもあります。

壁の穴や大きな傷、設備の破損

釘やネジの使用が禁止されているにもかかわらず穴を開けた場合や、家具の移動などで壁に大きな傷や凹みを作ってしまった場合は、部分補修ではなく一面張り替えとなることが多いです。

水回りのカビや汚れの放置

浴室やキッチン、洗面所の換気を怠り、清掃をしていなかったために発生した頑固なカビや水垢は、通常クリーニングの範囲を超えると判断されると、追加費用が発生します。

特にパッキンやコーキングの奥深くまでカビが進行すると、交換が必要になることもあります。

契約書の「特約」を見逃さないで!注意すべき項目とは

賃貸借契約書には、「特約」と呼ばれる特別な約束事が記載されていることがあります。

特約の内容によっては、本来であれば貸主負担となるはずの費用が借主負担とされている場合があり、退去費用が高額になる原因となり得ます。

トラブルを避けるためには、契約時に特約の内容をしっかり確認しておくことが重要です。

退去費用の高額請求を避ける方法

退去時の思わぬ高額請求は誰しも避けたいものです。

入居時から退去時まで、いくつかのポイントを押さえておくことで、トラブルを未然に防ぎ、不当な請求を回避することができます

入居時にやるべきこと

入居時にやるべきことは、以下の通りです。

契約内容をしっかり確認する

契約書には原状回復の範囲や費用負担に関する重要な事項が記載されています。

特に「特約」事項は念入りにチェックしましょう

ハウスクリーニング代、鍵交換費用、その他修繕に関する取り決めなど、どのような場合に誰が費用を負担するのかを正確に理解しておくことが重要です。

不明な点があれば、署名・捺印する前に必ず不動産会社や大家さんに質問し、納得できるまで説明を求めましょう。

入居時の部屋の状態を写真や動画で記録する

入居した時点で既に存在していた傷、汚れ、設備の不具合などを、日付入りの写真や動画で細かく記録しておきましょう。

写真は、部屋全体だけでなく、損傷箇所をアップで撮影し、メジャーなどを当てて大きさがわかるようにすると、より客観的な証拠となります。

居住中に気をつけること

居住中に気をつけることは、以下の通りです。

日頃からのこまめな清掃と丁寧な使用を心がける

特にカビや水垢が発生しやすいキッチン、浴室、洗面所は、使用後に水気を拭き取ったり、定期的に清掃したりする習慣をつけましょう。換気をしっかり行うことも重要です。

フローリングや壁紙も、汚れが付いたら放置せずに早めに拭き取ることで、シミになるのを防げます。

設備を壊したり汚したりしたら早めに報告・相談する

設備の不具合も、初期に対処すれば軽微な修理で済むことが多いです。

異常に気づいたら、速やかに管理会社や大家さんに連絡しましょう。

退去時に実践したいこと

退去時に実践したいことは、以下の通りです。

自分でできる範囲で掃除をする

契約でハウスクリーニング代が定められていても、自分でできる範囲の掃除はしましょう

キッチン周りの油汚れ、水回りの水垢やカビ、床のホコリなどを清掃することで、貸主側の心証が良くなり、不要な修繕費を請求されるリスクを減らせる可能性があります。

ただし、無理な清掃で設備を傷つけないよう注意が必要です。

見積もり内容をしっかり確認し、不明点は質問する

退去立ち会いには必ず同席し、修繕が必要と指摘された箇所や費用の根拠をその場で確認しましょう。

提示された見積書は、項目ごとの単価や数量が明記された詳細なものをもらい、内容をしっかりチェックします。

不明な点や納得できない箇所があれば遠慮なく質問し、安易に合意書へサインしないことが重要です。

退去費用が高額請求された際の対処法と相談先

万が一、退去費用の見積もりが予想以上に高額だったり、内容に納得がいかなかったりした場合、冷静に対処することが重要です。

以下に主な対処法と相談先を紹介します。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を確認する

まず、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を確認しましょう。

これは賃貸物件の原状回復に関する貸主と借主の費用負担の一般的な基準を示したものです。

ウェブサイトで閲覧でき、請求内容が妥当か判断する際の客観的な指針となり、交渉時の有力な根拠にもなります。

納得できない場合は管理会社や大家さんと交渉する

ガイドラインや入居時の写真などを基に、請求内容に疑問点があれば管理会社や大家さんと交渉しましょう。

冷静に、どの項目になぜ納得できないのか具体的に伝えます。

交渉の経緯は書面に残すと安心です。

消費生活センターに相談する

当事者間の交渉で解決しない場合は、お住まいの自治体の消費生活センターに相談しましょう。

専門の相談員が中立な立場でアドバイスをくれるほか、場合によっては貸主との間に入って「あっせん」をしてくれることもあります。

相談は無料で、「消費者ホットライン188」から電話できます

専門家に相談する

請求額が大きい、または法的な対応が必要だと感じる場合は、弁護士や司法書士などの法律専門家への相談も検討しましょう。

具体的な状況に応じた法的アドバイスや、代理人としての交渉を依頼できます。

相談料が発生する場合があるので事前に確認し、法テラスの無料相談なども活用しましょう。

まとめ

賃貸の退去費用は、事前に知識を得て適切に行動すれば、トラブルを避けられます

入居時の状態確認、丁寧な使用、退去時の冷静な対応が鍵です。

万が一、高額請求で困った際は、ガイドライン確認や専門機関への相談も視野に入れましょう。

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